海外アニメ・マンガをディープに考察

海外アニメと海外マンガをディープに考察

『陰謀論のオシゴト』に隠されたサブリミナルメッセージ シーズン1パート2

注:この記事には作中に画像の探し方と内容のネタバレがあります。

 

 

 

 

 

 

作中に隠された差し込み画像

陰謀論のオシゴト』パート2が公開された。パート2でも制作陣は視聴者を楽しませるため、こっそりと本編が始まる直前に画像を差し込んでいる。パート1の時より手が込んでいて制作陣の遊び心と本気を見た。

シーズン1の隠し画像の記事はこちら

https://karatachi-tree.hatenablog.com/entry/2022/06/13/120511

 

画像の探し方

本編には全て約7秒目に画像が差し込まれている。ここで黒い画面に白文字で表示されている’a netflix series’が白く塗りつぶされる。その後にジーッという音がして一瞬だけ画像が差し込まれている。1秒もたたないうちに画像が荒くなって本編が始まるので、再生速度を一番遅い0.5にすると確認しやすい。

 

画像の内容

11話 

最初に公開されたシーズン1パート2のトレーラーと同じ内容。

6つの秘密結社が集う”バーニングマン”スタイルの野外フェス、ボヘミアン・グローブの映像。左下には年月日:2000年7月15日午後10時。右には録画されている時間:1時間3分11秒。過去の誰かが録画したものとわかる。映っている2人はローブの形からイルミナティの上層部ではない組織員かイベント参加者と思われる。

 

12話 

左にプロビデンスの目。右に’Janssen Portrait of Shakespeare’という1610年代初期に描かれた作者不詳のウィリアム・シェイクスピア肖像画

余談だがこの肖像画は後世の加筆によりハゲに見えていたそうだ。

https://luna.folger.edu/luna/servlet/detail/FOLGERCM1~6~6~28422~102045:Janssen-Portrait-of-Shakespeare

https://politicworm.com/oxford-shakespeare/expanding-the-question/vizualizing-shakespeare-a-tale-of-two-portraits/

 

シェイクスピア肖像画が使われているのは恐らく12話が俳優をネタにした回だから。

劇作家シェイクスピアを描いたとされる肖像画は何枚もあるがどれも顔が違う。12話には著名な俳優が数多く登場し、作中では女性の血液によって若さを保つ裏の顔がある。俳優は様々な役を演じる職業。そういった意味では多様な顔を持っていると解釈できる。

 

 

13話 

架空の古代の壁画。左にサイキックキノコ4匹(4人?)、右に槍を持って走る棒人間4人と焚火。左上やや中央に人間の手形が2つ。作中で言及された人間とサイキックキノコの対立を描いている

 

14話 

1903年ノースカロライナ州キルデビルヒルズの砂丘での初飛行前のライト兄弟と思われる写真。2つに破かれていて左は作中に登場する2人の架空の兄弟ユダと思われる。実際にその人物が誰かは不明。知っている人がいれば情報求む。

 

15話 

荒れて砂嵐が起こっているテレビ画面。画面いっぱいにでかでかと赤い文字でCONSUMEと映っている

 

16話 

コグニート社のラボの検査結果を伝える用紙:用紙の右下斜めに検査を行った者の名前、職業、検査に何を使ったのか意図的に隠す形で採血容器が1本置かれている。

以下は検査結果内容の拙訳

日付:11月18日

検査結果

急性友情ウィルス2感染

患者:ブレット・ハンド

検査

Bloodの後は採血容器で隠されているが血液サンプルとわかる

患者ID:099355245407-1

検査:サンプル

実験 

友情ウィルス

(抗体検査)

検査結果

陽性

ウィルス負荷> .013

医師(採血を入れる容器で隠されているがアンドレの名前が書かれていると推測される)

 

17話

映画の脚本。映画’Kazaam’(邦題:『ミラクル・アドベンチャー/カザーム』)は17話の時間軸変更によってタイトルが次々と変わる。脚本のタイトルは’SHAMUZAAMSUKISAURUS’。実在の映画が元ネタになっているためか、副題と監督名などは英語圏で読める人が少ないキリル文字表記。右下には錨マークの周囲を文字が囲む二重円デザインのスタンプが押されている。

 

18話

年季の入った本が並ぶ図書館の本棚に立てかけられた新品の’Berenstain Bears’(『バーンスタインベアーズ』)の表紙。アメリカではロングセラーの絵本でアニメ化やゲーム化もされている。古き良きド健全な児童書のはずが17話の時間軸変更の影響でキャラクターが一家全員全裸。外性器まではっきりと描かれている。

アウルハウス 新たな魔法のあり方を描いたファンタジー

注意:この記事にはネタバレが少し含まれます。ストーリーの根幹に関わる内容は書いていませんが、気になる方は本編を視聴後に読むことをお勧めします。

 

 

似て異なる二つの物語

『アウルハウス』は魔法学校や箒に乗ったスポーツといった典型的な魔法ファンタジーものに見せかけてそのお約束をひっくり返した作品だ。特に魔法学園もののベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズとは似た要素がありつつも、実際は対極的なテーマを描いている。異世界召喚ものとロー・ファンタジーの違いの影響はあるだろうが、随所に異なる点が見受けられる。

 

みんなの学校と選ばれし者の学校

作中に登場する魔法学校の方針から、すでに価値観の違いが伺える。『アウルハウス』に登場する【ヘキサイド魔法魔術学校】は門戸が開かれた学校だ。魔法が使えると証明できる人なら誰でも入学・編入できる。ルースは生まれつき魔法が使える魔界生まれの子供たちとは異なり、魔法陣を描く方法で編入を認められた。生徒は自由に専攻を選べ、作中では途中から希望者は複数の専攻を掛け持ちすることが許される。通学生の学校であることから学外での行動の制限はない。

 

対象的に『ハリー・ポッター』のホグワーツは選ばれし者の学校。表向きはハーマイオニーみたいに普通の人間【マグル】出身者も入学が許されている。その実態は血統主義で、マグル出身者は魔法族に生まれながら遺伝子を引き継がなかった者【スクイブ】の先祖返り。その他のマグルの子はどれほど意欲があっても入学できない。何を学ぶかは三年生以降に多少の自由が与えられるが基本は固定。全寮制で敷地内と近くのホグズミード村以外への移動は禁止されている。

 

カヴン制度と組み分けの儀式

『アウルハウス』は個を大事にする流動的な社会制度を理想としている。最も顕著なのが作中の世界にある【カヴン制度】の批判だ。魔界にはカヴンという異なる分野の魔法に特化した組織がある。魔法学校を卒業後に入団が義務付けられ、一度入ると特殊な印によって所属するカヴンの魔法しか使えない。拒否すると皇帝から指名手配され、刑罰として石化されてしまう。

 

カヴン制度にはメリットもいくつかある。卒業後に一律で入団するため学歴格差が少なく、入りさえすれば生活が保障されるので貧困に苦しむ人は見受けられない。使える魔法は制限されるものの、得意分野や好きな分野の仕事ができる。

しかし法を犯してまで無所属を貫くイーダの姿勢からも、作中では個人の可能性と自由を抑圧する社会システムとして否定されている。

 

一方『ハリー・ポッター』は【組み分け】を通じて固定的な社会制度を書いている。新入生は入学したその日に頭に組み分け帽子を被る。知性を持ったその帽子が異なる特徴の四つの寮の中からその子にふさわしいと考える寮を選ぶ。一度決められると卒業するまで同じ寮生と寝起きを共にし、スポーツなどのイベントは寮ごとに競い合う。社会人になってからも寮の中での友人関係や寮同士の対立がその後の人間関係にも影響し続ける。

 

作中では寮制度の問題点もいくつか挙げられている。生徒が必ずしもふさわしい寮に組み分けられるとは限らない。グリフィンドールとスリザリンの対立は人間関係の不和の一端を担っている。こうした欠点を書いているが基本的にこの制度を否定していない。基本的には居場所を得たハリーを通じて、所属によって絆が深まり、帰属意識に誇りを抱き、アイデンティティを確立できるものとして描かれている。

 

ジェンダーと多様性

ジェンダーの多様性は『アウルハウス』最大の特長と言っても過言ではない。作中には男と女はもちろんのこと、イーダの元恋人レインのようなノンバイナリーや性別が明かされてないキャラクターもいる。性的指向もルースはバイセクシュアル、ゲイやレズビアンカップルや女性と中性の元カップルの存在も描かれている。恋愛に興味がある人だけではない。イーダの姉リリスは、アセクシュアル&アロマンティックという他者に恋愛感情や性的欲求を抱かない者だ。

 

こうした人間模様の中でも特筆すべきは、主人公ルースと同級生アミティの恋愛。全年齢向けアニメとして初めて少女同士がお互いに惹かれ合い、恋に落ち、付き合う中でお互いを深く理解し、絆を深めていく様子を丁寧に描いている。

 

ハリー・ポッター』の性の価値観は伝統的なものが極めて多い。作中では女の活躍が多く見受けられ、主人公側では優等生のハーマイオニーや副校長マクゴナガル、敵陣営にもヴォルデモートの側近ベラトリックスなど手ごわい女性が登場する。またウィーズリー兄妹の母親で主婦のモリーなど彼女たちが活躍する方法は多様に満ちている。

 

しかし登場人物の性別は男性と女性のみ、無性や両性、または体と心の性別が一致しない人は全く登場しない。全寮制学校が舞台である以上は恋愛の描写も多いが、男女のカップルのみ公に書かれている。闇の魔法使いグリンデルバルトがダンブルドアの元親友で恋人という設定は、本編完結後に公表されスピンオフの『ファンタスティック・ビースト』シリーズで取り上げられている。

 

またハリーを始め多くの生徒は、卒業後に同じ学校の同級生や卒業生と結婚し家庭を持つ。望んで独身を貫く登場人物はあまり見受けられなかった。

 

作品の背景

アウルハウスは現代の理想の社会を目指す物語。それは流動的な居場所を持つことで個性を最大限に生かし、多数派と価値観が違うマイノリティも自然に受け入れられるといった自由が保障される世界だ。監督のダナ・テラス氏自身がバイセクシュアルだと公表しており、多様な存在が認められる世界を大切にしている。

 

特筆すべきは『ディズニーのブランドに合わない』という理由で話数を大幅に減らされたにも関わらず、従来の作品では打ち切りを避けるためシーズンの最後に入れることが多かったLGBTQIAの描写をシーズン1からしっかり入れたことだ。シーズン3の1話でルースがバイセクシュアルだと母親にカミングアウトする場面からも、監督がこのようなテーマを真摯に扱っていることがわかる。

 

特筆すべきはジェンダーの多様性のみならず、あらゆるマイノリティについて取り上げていることだ。ヒロインのルースがその代表で、ドミニカ系アメリカ人でADHDの傾向がある。人種やニューロダイバージェント(脳機能の多様性)は、現代だからこそ焦点が当てられる。

 

一方ハリー・ポッターは特権を持った者が揺るぎない伝統を維持する世界。マグルとの混血を受け入れるなど、変えるべきところは変えながら途絶えるリスクがある血統と文化を守る世界観だ。ホグワーツも学費無償という点以外は、上流階級の子弟が通う寄宿学校パブリック・スクールがモデル。四つの寮は英国の階級制度を風刺しているといった歴史が長い国の背景が垣間見える。

 

作者J.K.ローリングは自身が元夫からDVを受け、貧困の中で執筆を続けたシングルマザーだった。自身が苦しんだ経験から女性や子供たちの権利を大切にしている。多様な年齢や職業の女を作品に登場させたのもそういった背景があるだろう。他にも人狼のルーピン先生など、不治の病により社会的ハンデを背負うキャラクターがいるなど弱者にも優しい視点を向けている。

 

その反面、トランスジェンダー女性は女性ではないという趣旨の主張をツイッターで行うといった保守的な一面が垣間見える。ジェンダーに関する描写が極めて少ないのは当時の児童書で扱えなかった以外に、作者の思想が反映されていると考えられる。

 

多様性が伝統を打ち破る

『アウルハウス』と『ハリー・ポッター』は実に対照的なファンタジー作品だ。一方は革新、もう一方は柔軟な伝統を重視している。どちらにも異なるよさがあるものの、前述のJ.K.ローリングの発言に失望してホグワーツを去り、ヘキサイドを新たな居場所にした者が少なくないのは事実だ。あの言動は居場所がない子の心の拠り所を提供しながら、一部の人を締め出す行為とも捉えられてもおかしくない。

 

『アウルハウス』がハリポタの影響を受けているのは事実で、作中にはカヴン制度の他に、金のコガネムシを取れば大量の得点がチームに入るスポーツといったパロディが見受けられる。それらはホグワーツの学校生活を揶揄した可能性が極めて高い。

 

魔法学校の門戸を生まれつき魔法が使えない人に開き、個性が受け入れられる現代の理想を描いた本作はファンタジーの新たな金字塔となった。時代はスクイブが見捨てられる世界から、魔力がないハンディキャップがあっても別の方法で魔法使いになれる時代へと変わっていく。多様性を認める『アウルハウス』はこれからのファンタジー作品の魔法のあり方を大きく変えていくだろう。

陰謀論のオシゴト オープニング 用語・小ネタ解説

注意

この「辞典」はネットフリックスアニメ『陰謀論のオシゴト』を楽しむため、作中の小ネタを広く浅~く網羅したものです。嘘であるにも関わらず現実世界でもまことしやかに信じられているネタもあるので、知っていればより楽しく見られる程度の情報に留めています。深く知りたい方は諸々の陰謀論はフィクションだと念頭に置いた上で、あくまで自己責任で深堀りしてください。

 

 

 

 

プロビデンスの目

キリスト教神の摂理を表すシンボルで神の万能の目を意味する。現在でも1ドル紙幣やアメリカの国章の裏に使われている

 

天動説

地球が太陽系の中心で他の惑星がその周囲を回っている説。正しいのは地動説の方

 

地図

Googleで調べた限り本来この場所に島はない

 

ランドと一緒にビーチにいる人物

左からスティーブ・ジョブズと(名前が2話に出てくる)、エルヴィス・プレスリー

 

黒いローブ姿の集団

陰謀論のオシゴト』作中で世界を牛耳っている存在。J.Rは「ローブの御前」と読んでいた

 

手術台で麻酔にかけられたグレンと一緒にセルフィーを取るジジとアンドレ

2人ともいいのか?グレンの左にいるのは顔の元になったイルカ、右で別の人に手術されているのはグレイ・タイプに近い宇宙人

 

墜落したと思われる宇宙船とマイクとサルたち

元ネタは映画『サルの惑星』か

 

万華鏡のように映されるブレット

元ネタ不明

 

アトランティス島爆破ミッション

アトランティスとは古代ギリシャの哲学者プラトンが『ティマイオス』『クリティアス』で言及している島。一次は栄えたものの海中に沈んだらしく、今でも根強く存在を信じる人がいる他『アトランティス』『ふしぎの海のナディア』など多くのSFファンタジー作品の元ネタとなっている

 

ロボレーガン

4話でレーガンが作る外見は自分そっくりのロボット

 

アポロ計画陰謀論

バズ・オルドリン、ルイ・アームストロングライカ犬?を背後から誰かが撮影

 

ロボットの大統領

大統領入れ替わり説。それのローマ教皇版やら天皇家版もあると聞いたことがある

 

100ドル札の中央に書かれたジョージ・ワシントンが悪魔になる

ドル札に悪魔崇拝が仕込まれている陰謀論

 

大統領の設計図

レーガンが作った大統領ロボットのもの

 

口から先の別れた細い舌が出ているリンカーンの顔写真

トカゲ人間説。著名な政治家や有名人、王族たちが実は異星人で我々の世界を牛耳っているという考え

 

レーガンのアップ→トカゲの目→手術を施される目

元ネタ不明

 

地球平面説

地球は丸ではなく平たい円盤みたいだという考え。古代から信じられてきた説で地球が丸いと証明された現代でも「国際地球平面協会」が存在する

 

コグニート社のゆかいな仲間たち

個性豊かなアブナイ面子

『陰謀論のオシゴト』に隠されたサブリミナルメッセージ

 

 

 

作中に隠された差し込み画像

ある夕方ぼ~っと『陰謀論のオシゴト』2話を再生していて一瞬だけ実写っぽいものが映っていると気付いた。寝起きだったから見間違いかもしれないと思ったけど、調べてみると確かに1瞬だけど画像が差し込まれていた。他の回なども調べてみるとトレーラーと本編全てにサブリミナルメッセージが差し込まれているではないか!

 

注:以下には作中にメッセージの内容、探し方、画像のネタバレがあります

 

 

 

 

 

 

 

 

画像の探し方

シーズン1パート1のトレーラーには2:10に隠れメッセージが、シーズン1パート2のトレーラーには0:03にそれぞれ隠れ画像が入れられている。

 

本編には全て約7秒目に画像が差し込まれている。ここで黒い画面に白文字で表示されている’a netflix series’が白く塗りつぶされる。その後にジーッという音がして一瞬だけ画像が差し込まれている。1秒もたたないうちに画像が荒くなって本編が始まるので、再生速度を一番遅くすると確認しやすい。

画像は全て本編に関わりがある内容。既存の写真に制作陣が手を加えたり制作陣が描き下ろしたと思われる。

 

画像の内容

シーズン1トレーラー: 2:10に制作陣からのメッセージ。実際に掲載されている番号にかけた時に聞こえる音声がYoutubeにアップされている

https://www.youtube.com/shorts/tcSZICUVZwM

シーズン1パート2 トレーラー: 0:03に隠し画像。2人の者が怪しげな祭壇を前に闇の儀式を執り行っているイラスト。2000年7月15日午後10時。1時間3分11秒に渡り動画が撮影されているとわかる

 

訂正・補足:11話の画像と同じものが使われている。11話で画像は6つの秘密結社が集う”バーニングマン”スタイルの野外フェス、ボヘミアン・グローブの映像だとわかった。左下の年月日から過去のイベントの録画とわかる。映っている2人はローブの形からイルミナティの上層部ではない組織員かイベント参加者と思われる。

 

1話:大統領の首からワイヤーが出ている画像

2話:ホワイトハウスで任務にあたる3人のケネディ大統領の写真

3話:戦前のイェール大学の集合写真?

4話:ハリー・ハリソンという男性の架空の出会い系サイトのプロフィール

5話:サングラスをかけた人間の左目をアップしたイラスト。青空に白煙を噴射しながら飛ぶ飛行機がサングラスに映っている

6話:岩場で泳ぐ巨大タコと3匹の原始人らしき生物。色目と背景の火山と船からすると北極か南極かもしれない

7話:制作陣が作ったと思われる何人かのパスポートのイラスト

8話:宇宙船内にいるバズ・オルドリンの写真に制作陣が書き加えたクラッパーボード(カチンコ)を持つ手

9話:コグニート社の機密文書。1998年1月16日に発行された以外は暗号で書かれていて読めない

10話:実写のロナルド・レーガンが頭に洗脳装置?を付けている画像。装置とビデオカメラは制作陣の手書き。ビデオカメラにProject jellybean Ronaldと表記

 

制作陣がどんな意図で画像を差し込んだかはわからない。でもまちがいなく『陰謀論のオシゴト』ファンを楽しませている。パート2もますます楽しみになってきた。

 

 

 

 

アウルハウス 考察 皇帝ベロスの正体

※『アウルハウス』シーズン1とアナ雪のネタバレを含みます

※  自由に書いてます

 

シーズン1の最後でようやく登場した皇帝ベロス。いまだに皇帝であることと性別以外は情報がほとんど明かされていない。朝ごはんに何を食べるのか、仮面の下でこっそり舟をこぐのか、マントの下は生まれたままの姿なのか、寝る時には何も着ないのか。全てが謎に包まれている。皇帝ベロスは一体何者だ?

 

謎だらけの皇帝ベロス

現地点でわかっている情報は少ない

・野蛮な魔法が野放しだったボイリング島に秩序をもたらした

・数百年にわたってボイリング島を統治している。

・カヴン制度に従う者には健康で文化的な生活を保障する一方、従わない者は1話のように牢屋に閉じ込めている。

 

かつては革命家で今は独裁者。驚くべき長寿の生き物で、裏と表の顔を使い分ける狡猾な性格。正体は何者でどんな経緯をたどってボイリング島を統べるようになったか。とあるファンタジー作品との関連性から謎多き皇帝の正体を推測してみた。

 

1.『オズの魔法使い』説

『アウルハウス』には古今東西のファンタジー作品のオマージュが盛り込まれている。アメリカで作られた作品である以上、昔からアメリカ人の誰もが1度は見たり読んだりする作品から影響を受けている可能性は高い。中でも最も有名なファンタジーの1つがライマン・フランク・ボームオズの魔法使い

 

『アウルハウス』と『オズの魔法使い』には共通点が多い。主人公のルースとドロシーはアメリカの地方で暮らしていた現代っ子(ドロシーの場合は書かれた当時の現代)の少女で、偶然の出来事によって異世界に足を踏み入れた。どちらも欠落を抱えた人間ではない仲間たちと一緒に冒険し、その世界の住人たちと触れ合う。

 

人間の少女と魔女と妖魔と筒状の鳥?

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Really_Small_Problems/Gallery?file=Really_Small_Problems_-_075.png

 

『アウルハウス』はまだ物語が作られている途中だけど、ドロシーは冒険の終盤でエメラルド・シティの統治者「魔法使いオズ」が自分と同じアメリカから来た普通の人間と知った。

 

平凡な人間オズは気球に乗って異世界に迷い込み、機械の力で自分が魔法使いだと住民を信じ込ませてエメラルド・シティの統治者なる。もしアウルハウスが『オズの魔法使い』の影響を受けているなら、ベロスも我々と同じ世界から来た人間で自らを救世主と偽ることで皇帝の座を得たと考えられる。


さかのぼること数百年前。乗っていた気球が飛ばされたのかはわからないけど、何かしらの方法で魔界にやってきて人間界の機械をより強力な魔法に見せかけることでうまい具合に統治者となった。

 

イカサマが成功して異世界暮らしが長引く間に野心的になったのか、それとも元から傲慢な性格で支配者として君臨する野望を抱いていたのか。いずれにせよ飽きないのが不思議なくらい長い間ボイリング島を統治し続けている。

 

南の島へのバカンスを勧めたい

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Agony_of_a_Witch/Gallery?file=Emperor.png

 

ベロスの杖も魔界に普及している杖よりデザインが機械的で、先端には使い魔の動物ではなく電球らしきものが付いている。オズが自分を大仰に見せる機械仕掛けでドロシーたちを迎えたように魔法が使えないのをごまかしているのかもしれない。

 

引用元:

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Young_Blood,_Old_Souls/Gallery?file=Belos_Staff.jpg

 

魔力を誤魔化しているからベロスが人間とは限らない。現代の魔界に伝わっている供述「野蛮だった地に秩序をもたらした」から、ボイリング島内外出身の革命家や他の国の統治者の可能性もある。その場合には何者でどんな経緯で皇帝になったかを考えてみた。

 

2.ハンディキャップ説

ベロス自身が魔法を使えない魔界の住人かもしれない。片親が人間だった影響で魔法を産み出す臓器を作る遺伝子が受け継がれなかったのか。それとも両親は魔法使いだけど一種の突然変異による臓器の欠損か。いずれにせよ魔法を産み出す器官が生まれつきなかった。

 

魔法が使えないハンディキャップのせいであらゆる苦しみを味わうのは、全てにおいて魔法を使うのが大前提のボイリング島に恨みを抱く理由としては充分だと思う。コンプレックスをこじらせた青年が偶然の重なりによって権力者として担ぎ上げられ、元の権力者を殺害。そのまま統治者になるシナリオもあり得ないことはない。

 

非魔法使いが魔力を補うために蒸気や電気で動く機械を産み出し、魔法を使えるようにごまかしているのも説得力がある。

 

3.異国からの侵略者説

 

引用元:

https://frozen.fandom.com/wiki/Hans_Westergaard?file=Hans_stops_Elsa.png

アナ雪のハンスみたいにボイリング島の外の王国の皇太子だったりして。ボイリング島以外の島や大陸があって別の文明が栄えている可能性は充分にある。自分の国にいても王位どころかろくな地位すらもらえないから外国乗っ取りを計画。運よく企みが成功して統治者になった。

 

なんで世継ぎがいないのかといった疑問はあるけど、そこは不妊庶子が多かったのか単にもてなかったのだろう。

 

4.掟破り説

これまで上げたどの説も長寿を説明できない。ボイリング島の住人は普通の人間と寿命が変わらない。だとしたらあんなに長い間生きている理由は何か。

 

あくまで推測だけどファンタジーのお約束「○○してはいけない」を破ったのかもしれない。禁断の魔法に手を出す、場所に入る、物に触れるといったタブーを犯した罰として不老不死の呪いをかけられたと考えられる。

 

それ以外の理由としては不慮の事故でそうなったり、野心から不老不死を追求して薬によって寿命を延ばしていたり。すでに滅んだ長寿の種族の血が入っているなどいかにもファンタジー作品らしい理由かもしれない。

 

まとめ

2022年5月地点で放送されている回では皇帝ベロスは謎めいた存在のままだ。アメリカの古典的なファンタジーのオマージュなどあらゆる可能性があるけど、真相は仮面の下に隠されたままだ。

 

いずれにせよ正攻法ではないやり方で皇帝になったのは間違いない。ベロスが何者でどうやってボイリング島の統治者となったのか、物語が進めば明らかにされるだろう。

アウルハウス 考察 カヴン制度について その2

カヴン制度の背景とは?

 

 

皇帝ベロスは何を意図してカヴン制度を作ったのか。「魔女や妖魔たちが魔法を野放しにしていた野蛮な時代を終わらせ、ボイリング島に秩序をもたらすために使える魔法を制限した」はあくまで大衆に広まっている話。本当のところ皇帝が何をやったか明らかにされてない。

 

どんな社会制度にも必ず統治者の意図がある。カヴン制度を普及させたのにも皇帝ベロスの思惑があるはずだ。皇帝は何を考えてこの制度を作ったのか、その裏にある背景を推測してみた。

 

1.権力者の台頭を防ぐ

ベロスは50年前に野蛮な時代を終わらせた、という供述から彼が権力者であり侵略者でもある可能性があると確認できる。権力を持つ者にとって最も恐ろしいのは自分の地位を脅かす存在。自分より強い魔法使いが現れて欲しくないがために「野蛮な人たちを文明化する」口実で国民の魔法を制限するようになった。

 

 

引用元:

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Agony_of_a_Witch/Gallery?file=Taught_magic.png

 

現にカヴン制度が浸透した現在の魔界では、カヴンに入団する際に施される印の影響で1人1分野の原則によって複数の分野の合わせ技を使える存在はほぼいない。つまり極端に富や魔法の力を持つ個人が現れる可能性が低くなる。

カヴン制度は富や権力の集中を防ぐことによって皇帝を脅かすほどの魔力と権力、財力を持った存在の台頭を防ぐ役割を果たしていると考えられる。

 

2.国民の不満を抱かせない

いくら新たな権力者が現れるのを防いだ所で、政治に不満を抱いた国民たちに反乱を起こされては元も子もない。強硬的な手段で反発を招くことなく国民を大人しくさせるには政治的無関心の状態にとどめる必要があった。

そこでカヴン所属を条件にパンと娯楽ならぬ教育と充実した生活を保障。従う者に現代の福祉国家でも実現できない理想の社会制度の恩恵を与えたのだ。

 

図書館など公共施設も充実している

引用元:

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Bonesborough_Library/Gallery?file=S1_EP07_Bonesborough_Library_Interior_2.png

子供たちは幼~高に至るまで無償かつ質の高い教育が保証され、10代以降では専門の分野に特化して学ぶことを許される。卒業すれば自分の好きなことや得意なことに基づいて選んだカヴンに入団し、真面目に働いてさえいれば人並みの生活を普通に送れる給料をもらえる。

過度な受験戦争や階級闘争もなく、自分がやりたい仕事をやらざるを得ない上に低賃金に苦しむこともない。入団すれば事実上健康で文化的な生活を保障される現状に多くの人が満足し、今に至るまで皇帝の統治を認めている。

 

3.優秀な人材のリクルート

子供の頃からカヴン入団を意識させるのは皇帝にとっても利益がある。多くの魔法学校の生徒が卒業後にカヴンに入るという認識が共有されているため、カヴンの説明会などを定期的に開いて若者を集めやすい。集まった参加者たちの中から優れた魔法の才能を発揮する子を発掘できるかもしれない。

 

若い世代の育成のために城内のツアーも開催

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Agony_of_a_Witch/Gallery?file=Shade.png

 

優秀な人材を発掘して皇帝直属やその下の9つのカヴンに入団させることで、才能がある者を自分の手中に囲い込める。そうすることで自分の右腕として使えるだけでなく、早くに印を腕に刻ませて自分に歯向かう可能性を減らせる。まさに一石二鳥のやり方だ。

 

まとめ

カヴン制度は市場の競争や権力者の台頭、限られた人への富の集中を防ぐことで皇帝ベロスの権力が脅かされる危険性を排除する仕組みだ。充実した社会制度によって国民が政治に無関心で統治に意を唱えないように仕向けることで、皇帝は自らの地位を維持しつつも己の思惑に気付かせないように企んでいる。何をやろうとしてるかわからないけど何かを考えているにちがいない。

 

 

 

アウルハウス 考察 カヴン制度について

 

 

いくつかのファンタジー作品に見られるようにアウルハウスにも魔法の分類や魔法使いを組み分け、何かしらの機関に所属させる制度がある。ボイリング島に普及した「カヴン制度」の概要や背景、人々に支持される理由を考察してみた。

 

1.カヴン制度とは

皇帝ベロスによって作られた魔法を分野ごとに分ける制度。各カヴンを象徴する色とtrackがあり、’特に優秀で皇帝に必要不可欠な役割を果たす魔法使い"Coven Head" または "Head Witch"によって率いられている。

 

最も権力が強いのは皇帝直属の「エンペラーズ・カヴン」。メジャーなカヴンはアボミネーション、吟遊詩人、魔法生物、建設、ヒーリング、イリュージョン、預言(占い師カヴンとも呼ばれる)、植物、ポーションの9つ。

 

代表的な9つのカヴン

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Coven_System?file=Coven_System.png

 

著名なカヴンに所属することはステータス・シンボルであり、中でも「エンペラーズ・カヴン」に入団するとエリート扱いされる。9つのカヴンのトップ"Coven Head" や "Head Witch"は皇帝に直接仕えている。

 

その他にも多肉植物、陶芸、猫、スタイリスト、花、修理人、アーティスト、大型犬、小型猫、一番小さい猫、不機嫌、ディベート、歴史、まじない(いたずら)、ファッション、瞑想、食中植物、シェフ、水晶占い、散文、パン職人、円形の天窓、反応(魔法の反応を調べる?)、偶然(魔法の偶発性を調べる?)といったマイナージャンルのカヴンが多数存在する。

 

カヴンに入るのは全ての住民の義務で、未成年の魔法使いはメジャーな9つのカヴンのうちいずれか、または校長の許可が下りたらいくつかの分野を勉強することが奨励される。多くの人は魔法学校卒業後の17、18歳でカヴンに所属するが、優秀な生徒の中には在校時や未成年で入る魔法使いもいる。

 

一度カヴンに所属すると魔法の印を腕に刻まれ、エンペラーズ・カヴンの所属者を除き基本的な魔法以外はカヴンの専門分野に関係する魔法しか使えなくなる

 

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Coven_System?file=S01E05_Covention_%2528132%2529.png

 

なおカヴンに所属しないのは不法行為とみなされ、強引にどこかに所属させられるか石化魔法の刑を受けることになる。

 

2.カヴン制度が作られた背景

物語が始まる50年前に皇帝ベロスが魔女や妖魔たちが魔法を野放しにしていた野蛮な時代を終結ボイリング島に秩序をもたらすために使える魔法を制限し、皇帝に使役するカヴン制度を設立。このシステムができる前の世界は混沌としていたため、大勢がこの制度に従った。以後カヴン制度は今日までボイリング島に定着し、毎年多くの若い魔法使いが加入している。

 

3.カヴン制度が支持される理由

中にはイーダみたいに自由でありながらも使える魔法を厳しく制限されるこの制度に反発する人もいる。それでも多数派の人に指示されているからには制約と同時にメリットも多い。

貧富の差が少ない世界

カヴン制度は1人1分野の魔法しか追及できないと厳格に決められている。従って個人が複数の分野の魔法を使って莫大な富や権力を得ることは難しい。中にはブライト家のように異なるカヴンに所属する夫婦が共同開発した兵器によって財産を得ている家もあるけどあくまで少数派。本編を見る限り極端に裕福な人は限られているし生活に困窮している人もいない。

 

平等な教育

ボイリング島に貧富の差が少ない一因として教育制度が充実しているのも挙げられる。イーダがお金を気にせずにルースを魔法学校に入学させられたことから、ヘキサイドは公立で学費が無償の可能性が高い。しかも幼稚園や保育園に当たる年齢から高校までのエスカレーター式で魔法が使えたらいつでも誰でも入学できる。

 

こんな学校にただで通えるのはうらやましい

引用元:

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Hexside_School_of_Magic_and_Demonics?file=School.jpg

真面目に学校に通ってさえいれば最終学年でカヴンを選んで所属。著名なカヴンとそれ以外の上下はあるしどこに入るか迷う人もいるだろうけど、みんな魔法学校卒業→カヴン入団は変わらない。

 

がんばらなくてもいい社会制度

職業の貴賤もあまり見受けられない。確かに皇帝直属のカヴンやその下の9つカヴンに入るのはエリートの証とされる。だからといってみんながそこを目指す訳ではない。リリスみたいな優等生はいるしブライト家のように向上心が高い家庭もある。

 

その反面、自分が好きなこと、やりたいこと、得意なことを基準に選んでも生活していける。カヴンによる給料の差は確認できないけど、所属さえしていれば3K(汚い、臭い、給料が低い)の三拍子がそろった仕事に就くことはまずない。

 

カヴンに入りさえすればどこかの国と違って文字通り健康で文化的な生活が保障される。子供たちは質のいい教育を無償で受けられ、将来は好きなことや得意なことが仕事につながる。そこだけ見ると理想の世界すぎて何か裏があるのではないかと勘ぐってしまう。この制度は純粋な正義感によって作られた訳ではなさそうだ。

(その2に続く)