アウルハウス 2話 「魔法使いの試練」 感想

目次

・あらすじ

・登場人物

・感想

・用語解説・小ネタ

 

  • あらすじ

魔女修行をやる気満々のルース、でも任されたのはキングと一緒にイーダの客に荷物を届け、作った魔法薬を売り歩く地味な仕事だった。がっかりしたルースが最後の届け先に行くと、見た目は普通の家なのに中には豪邸が広がっている。いかにも魔法使いらしい家の主、アダガストに温かく出迎えられて三人でお茶をすることになった。

 

自分は何か特別な意味があって魔界に来たはずなのに、雑用しかやらせてもらえない。ルースの悩みを聞いたアダガスは地図を見せてくれた。選ばれし者が杖を引き抜いた時、この世界は古くから存在する闇から救われる。ルースは喜んでクエストを受けたが、キングとイーダに笑われてしまう。がっかりするルースだが、太陽に照らされて地図に光る文字が浮かび上がるのを見て決意を固めた。

 

 先ほどの話に嫌な予感がするイーダ。フーティにルースの行き先を聞いて、急いでキングを連れて魔法使いの家を探す。豪奢な家があったはずの廃墟の床には、ルースが持っていたのと同じ地図が何枚も落ちていた。

 

 そのころ、ルースは意気揚々と冒険を進めていた。霧の向こうのかわいいネコたちが暮らす町に付き、仲間を増やし、順調に旅を進めてアイテムをもらっていく。ところが後を追ってイーダとキングがたどり着くと、町は荒れ果てていた。

 

一方ルースの冒険は終盤へ。泉に向かうと、中央の台座には光り輝く杖が!水面に石の橋が浮かび上がっていくのを見て、魔界に来たのは意味があったとルースは喜ぶ。橋を渡って杖を台座から引き抜いたが、杖は溶け去り、アダガストが姿を現した。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=S01E02_Witches_Before_Wizards_%2528256%2529.png

 

 

 全ては彼がイーダを誘うために仕組んだ罠。魔法使いも旅の仲間も全て人形で、オオダコ型の妖魔の本人が操っていたのだ。冒険でもらった装身具にルースが拘束された所へ、イーダとキングが助けにきた。

 

触手に囚われてしまった二人を助けるために戦うルース。アダガスは旅の仲間の幻影を見せるが、ルースはそれを振り切ってアダガスに勝つ。小さなタコになったアダガスは、イーダに一飲みにされてしまった。

 

 意気消沈したルースを、イーダは目隠しして空に連れて行った。そこから見えるのはボイリング島の絶景。近くで見たら臭くてぬめぬめした場所も、別の所から見ると、とても違って見える。なんで魔法使いの企みを見抜けたのかと尋ねられ、「みんな選ばれし者を夢見るけど、予言を待つより自分で行動した方がいい」とイーダは答えるのだった。

 

  • 主な登場人物

ルース・ノセダ:ファンタジーをこよなく愛する14歳。イーダの元で魔女修行中

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=S01E02_Witches_Before_Wizards_%2528131%2529.png

 

イーダ:自称「ボイリング島でいちばん強力な魔女」。妖魔のフーティとキングと街はずれにある「アウルハウス」で暮らしている。人間界から拾ってきたガラクタを売る他に、自分で調合した薬を売っている

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=S01E02_-_12a.jpg

 

キング:誇り高く振る舞う妖魔。かわいいと言われたら怒るけどやっぱりかわいい。甘い物が好き

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=S01E02_Witches_Before_Wizards_%2528167%2529.png

 

フーティ:ドアで見張りをしている妖魔。1話から登場するが、この回から物語の展開に関わり始める。無限に伸びる体でルースたちにからむ

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_271.png

 

アダガスト:典型的な魔法使い。ルースに選ばれし者としてクエストを紹介するが……

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=Gibberish_Books1.png

 

その他:村の住人たち、剣士ネヴァレス、ネコ型種族のクリス、妖精のお姫さま。ルースの旅の仲間たちだが、正体はアダガストに操られた人形

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=Imagination.png

 

  • 感想

 ファンタジーの王道をこれでもかと入れつつ、ラダガストの正体や特別な使命も意味もない異世界召喚など、ひねりをうまく利かせている。「魔法使いの弟子」でおなじみの修行が嫌になった弟子が騒動を起こす話と、選ばれし者として冒険に出るクエストもの。そこに剣を持つヒロインから純粋な主人公を利用する邪悪な魔法使いまで、古今東西のファンタジーネタが盛りだくさん。あの偽の冒険が平和なテーマパークでやってるなら自分も参加したい。

 

 異世界に来たのには特別な理由があるはず、と思うルースの気持ちはすごくわかる。ファンタジーのお約束でもあるし、そのジャンルが大好きな人の多くが一度は夢見る。

 

それにルースは明るく振る舞っているけど、本当は現実世界で自分の行動を理解されないことに傷ついていた。異世界に憧れを抱くことで、居場所がない辛さに耐える子は少なくない。疎まれていた主人公が別の場所で選ばれし者となり、活躍する作品は『ハリー・ポッター』シリーズを筆頭にたくさんある。自分だっていつかきっと、と夢を抱くのも無理はない。

 

 でも現実はそう簡単にはいかない。何かの成果を出すには地道な努力が必要だし、結局はそれが一番の近道になる。この手の話は教訓めいた作品も多い中、お説教臭くなくて不気味で楽しいのがアウルハウスの魅力。イーダはなんだかんだいい師匠だし、次回から修行も進みそうだ。

 

  • 用語解説・小ネタ・オマージュ

小ネタ

・オープニングが流れたのはこの回が初めて

 

・イーダがヘビ油を売っているのは、"snake oil salesman(woman)"(インチキなセールスマンの意味)をネタにしている

 

・ルースが旅をしている時、岩に刻まれている文字は"W-I-C-H-I-Z"と解読できるそうだ。"W-I-C-H-I-Z"→” Witches”(魔女たち)と読める

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=S1_E2_Witches_Before_Wizards_Code.png

 

・イーダがアップルブラッドを飲む時に使っているマグカップに、"30 & Flirty"と書かれている。イーダの年齢は30歳かお酒を飲んでいると示唆している

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards/Gallery?file=Apple_Blood_1.png

 

 

情報引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards

 

 

オマージュ

・イーダが杖を呼ぶシーンは、『マイティ・ソー  バトルロイヤル』でソーがドクター・ストレンジのサンクトム・サンクトラム内で傘に変化したムジョルニアを呼ぶ場面と似ている

 

・’By the power of Skullgar, I am out of battery’:ルースが冒険に持って行った剣は、海外アニメ’He-Man’のオマージュ。変身する時の台詞"By the power of Grayskull"「グレイスカルの力によって、わが手にパワーを」に似た言葉を言う

 

・ネヴァレスが戦場で花咲く恋についてルースに尋ねているのは、メタルギアシリーズのハル・エメリッヒ、通称オタコンがスネークに「君に確認したいんだ 戦場でも愛は芽生えるかどうか?」と尋ねた台詞のオマージュ

 

・ネヴァレスのマントはフランチャイズ版のダンブルドアが着ているものに似ている

引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Witches_Before_Wizards

 

・The Chosen One: ハリー・ポッターこと「選ばれし者」

 

アウルハウス 1話 考察 変わり者であってはいけないのか?

注:本編のネタバレあり

目次

1. 個性を否定されているルース

2. 多様性を尊重するイーダと尊重しない番人

2.1 お尋ね者と社会規範の守り人

2.2 多様性を許容する人と拒絶する人

3. 自分と相手の個性を認めるルース

4. 変わり者でいいじゃないか

 

 ディズニー・チャンネルで放送されているアニメ『アウルハウス』は、普通の少女が異世界に行って魔法を勉強する王道のファンタジー。ちょっと不気味でユーモラスな魔法の世界の中にとても現代的なメッセージが込められている。

 第1話では、問題行動を直すためにサマーキャンプに行くことになったルースが、魔界ボイリング島に足を踏み入れる。魔女イーダと仲間たちや塔の番人との出会いを通じて、ルースは自分のロールモデルと生き方を見つける。人と違うのはいけないことか。個性を抑圧して周囲に合わせないといけないのか。冒険を通じてルースは答えを見つける。

 

1. 個性を否定されているルース

 ルースはとても個性的な子。自分の世界を持っていて、好きなものがはっきりしている。本物のヘビや花火を使ったリアル志向なプレゼンテーションをやろうとする、劇でお腹を切られたら腸に見立てたソーセージが出る仕掛けを仕込む、はく製を使って生きた蜘蛛を吐き出すグリフィンを作る。芸術は爆発だ!と言わんばかりにクリエイティブだ。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_32.png

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_38.png

 

 残念ながらルースの長所は周囲に理解されていない。変わり者扱いされて友達はいない。親と先生からも個性伸ばすのではなく、「普通」になるように求められている。プレゼン用のヘビが校長先生にかみついたのをきっかけに’Think Inside The Box’(型にはまって考える)ことを教えるキャンプに行かされることになってしまった。

 

 確かにルースの行動には問題がない訳ではない。同級生たちをパニックに陥れることで、人に迷惑をかけている。迷惑な行為をやめさせて常識的なふるまいを教えるのが、大人としての責任かもしれない。

 

 でも本当にそれが正しいのだろうか。子供の行動を欠点とみなしてやめさせるのではなくて、どうすれば長所として伸ばせるかに視点を向ければいいのに。よかれと思って矯正することで、いい所も一緒に潰してしまうんじゃないだろうか。

 

 現にルースは大好きなお母さんの言葉で、ほんの一瞬とはいえ愛してやまないファンタジー小説をゴミ箱に入れてしまう。そうやって社会に溶け込むのと引き換えに、すばらしい長所を捨てざるを得なかった子供たちはきっと少なくない。

 

 現実の世界は多様性が大切だと言いながら、多数派が認めない個性は消されてしまう。人間界でルースは自分らしくいることを許されない。

 

2. 多様性を尊重するイーダと尊重しない番人

 自分のファンタジー小説を取っていったフクロウを追いかけて、ルースは魔界のボイリング島に足を踏み入れる。そこで魔女イーダと妖魔のフーティとキング、そして塔の番人に出会う。イーダと番人は同じ魔界の住人でも正反対の大人。対照的な二人は物語の対立構造「個性を尊重するか抑圧するか」を体現している。二人と接することで、ルースの行く先は大きく変わっていく。

 

2-1. お尋ね者と社会規範の守り人

 イーダは自称「ボイリング島でいちばん強力な魔女」。人間界で拾ったガラクタや自分で調合した薬を売っている。窃盗罪や違法な魔法を使ったことその他諸々の理由から指名手配されていて、追手や元カレを避けるために町はずれにある「アウルハウス」に妖魔のキングとフーティと暮らす。

 

 社会規範に従わないアウトローで、恐らく収入も安定していない。それどころか指名手配までされている。社会のルールから逸脱した存在のイーダは、「良識的」な大人が子供に関わらせたくない存在かもしれない。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_Eda_Standing_on_Table.jpg

 

 塔の番人は文字通り、魔界にある塔の番人。思想や嗜好が普通ではないと判断した住人達を容赦なく逮捕し、塔の牢屋に閉じ込めている。指名手配されているイーダを追っているが、一度も捕まえられたことがない。

 

 イーダとは対照的に、番人は社会規範を守る存在。指名手配者を追う警察みたいな役割も果たして、部下の信用も厚い。安定した地位の仕事に就いて一般社会に溶け込んでいる。ルールや常識をきちんと守る大人で、子供たちの手本にされるのは彼のようなタイプだろう。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_190.png

 

2-2 . 多様性を許容する人と否定する人

 性別や社会的地位が異なる二人は、自分と考え方が異なる人への態度も大きく異なる。

 イーダは様々な個性や価値観の人々を受け入れて、相手が大切にしているものを尊重している。

 妖魔キングの王冠を取り返す代わりに人間界に戻すと約束されたルースは、イーダとキングと一緒に番人が管理している塔に侵入する。危険を冒して取り戻したキングの宝物は、人間界のファーストフード店でもらえる紙の王冠だった。

 「この王冠は何も力を与えないでしょ」と困惑するルースの意見を認めた上で、イーダは語る。

 「ほら、キングもあたしも居場所がないし、仲間はお互いしかいない。だからだからあいつにとってあの馬鹿げた王冠が大切なら、あたしにとってもそうさ。それに、あたしたちみたいな変わり者はお互いに協力しないと」

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=Sg2p7O2NEyU.jpg

 

 イーダは人間その他の生き物が異なる個性を持つのを、まぁこんな奴がいてもいいかと受け入れている。そして一人ひとりが違うからこそ協力できることは協力する。彼女は真の意味で、多様性を許容し尊重する魔女だ。

 

 それに対して塔の番人は、異なる価値観の人を受け入れようとしない。食材同士のssを書く、再生する自分の目玉を食べる、陰謀論を信じる、といった変わり者の住民たちを、社会の多数派と価値観が違うというだけで捕らえて塔の牢屋に投獄している。自分が受け入れられない人を拒絶するだけではなく、彼らを従わせるためには手段を選ばない。

 

 イーダの売っていたテレビを壊したり、直接的な描写はないけど、自分に反抗した囚人に暴力を振ったことを伺わせる描写がある。キングの王冠を取り上げて目の前でぐしゃりと潰すなど、力ずくで相手を従わせていた。

 

 「これはお前ら全員への見せしめだ。社会に溶け込めなければお前たちに居場所はない」と囚人たちを脅す言葉から、マジョリティに合わせようとしない人たちの存在を許容しない姿勢がはっきりと伝わってくる。

 

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引用元: https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=VUcLAwTPD-U.jpg

 

 塔の番人は自分とは価値観が違う人たちの存在を否定する。彼らを問題視して、力ずくで自分が正しいと信じるマジョリティの側の価値観に従わせようとしている。彼は多様性を否定し、異なる考え方の者がいること自体を受け入れていない。

 

 社会のはぐれ者であるが故に多様性を受け入れて尊重するイーダと、社会の規律を遵守するからこそ多様性を退ける塔の番人。二人の対比は人がそれぞれ異なることを前提に協力し合う現代の理想の生き方と、集団や共同体の中で定められた「常識」に合わせるのを要求される従来の生き方の対立を表している。同時に、自分らしさを大事にするか個性を抑えるか、二つの間で迷うルースの分岐点でもある。そしてイーダと出会うことでルースは自分の道を見つける。

 

3. 自分と相手の個性を認めるルース

 人間界のルースにはお手本にできる人がいなかった。現実世界の大人たちは悪い人たちではないけど、決して理解者であったとは思えない。

 お母さんはルースに惜しみなく愛情を注いでいるけど感性が多数派寄りの人。ユニークな娘が孤立するより、社会に溶け込んで友達を作ってほしいと願っている。学校の先生はルースの問題行動をやめさせることだけに焦点を置いている。人間界の大人たちは彼女を愛しているけど、本当の意味では理解していない。ルースはどんな人を目指せばいいかわからず、ただ大人に従うことしかできなかった。

 

 イーダと出会いによって、ルースは初めてロールモデルにできる人に出会った。イーダは彼女が今まで接した経験がないタイプの大人の女性だった。型破りなお尋ね者で、自分がやりたいように生きている。でも様々な価値観や個性の人と生き物の存在を認め、仲間が好きな物も大事にする。彼女の言動に触れることによってルースはどんな人になりたいか決めた。それは自分の個性も相手の個性も大切にして、お互いに協力し合う人。

 

 ルースは「普通」になって社会の多数派に合わせるのではなく、自分らしくいることで他の人たちを勇気づけて協力し合えると気づいた。だから逃げる意欲を奪われた囚人たちを助けて奮い立たせ、みんなでイーダとキングのピンチを救ったのだ。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=Bunch_Of_Giraffes.jpg

 

4. 変わり者でいいじゃないか

 約束通り人間界に返してもらえることになったルースは、自分の意志でイーダを師匠に選んで魔界に残ることを選ぶ。個性を否定されていた少女は、自他の個性を受け入れる大人に出会うこと自分の生き方を見つけた。そして社会の鋳型にはめられる場所ではなく、変わり者の自分が生き生きと暮らせる環境を選ぶ決断をした。

 

 私たちは多かれ少なかれ、他の人と変わっている。人と違う価値観を持っていることでいじめられるなど辛い思いをするかもしれない。でもルースが言うように、人と違った物の見方ができるからこそ、私たちは素晴らしい。現実には自分に合った場所を見つけるのは簡単ではない。でもあきらめずに探し続けたら、いつか受け入れられる人や場所に出会えるかもしれない。世界のどこかに居場所がきっとあるはず。

 

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引用元:https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=Hugs4.jpg

 

 

 

 

 

アウルハウス 1話 「ウソ付き魔女と怒りの番人」 感想

ディズニー・チャンネルで放送中の海外アニメ「アウルハウス」1話 「ウソ付き魔女と怒りの番人」の感想です。

  • もくじ

・あらすじ

・登場人物

・感想

・用語解説・小ネタ

 

あらすじ

 ルースはファンタジーが大好きな14歳。クリエイティブ精神を発揮した行動が毎回トラブルになって、サマーキャンプに行かされることに。

 愛読書『善い魔女アズーラ』を取っていったフクロウを追いかけて、ルースは廃屋にある不思議な扉の向こうに行きます。そこはなんと、魔界のボイリング島。

 フクロウの主、イーダが売っていたテレビを直したルースは彼女に気に入られます。イーダを追ってきた番人たちから逃げるため「アウルハウス」に連れて行かれたルース。番人ラースの塔に忍び込んで、妖魔キングの王冠を取り返す代わりに元の世界に帰してもらう取引をしました。

 

 三人で塔に忍び込んだルースが目の当たりにしたのは、変わり者というだけで投獄される囚人たちでした。後ろ髪を引かれる思いで彼らを後にして、番人の部屋に侵入します。

 手に入れたキングの王冠は、人間界のファーストフード店でもらえる紙の冠。それでもキングにとって大事なものは、自分にとっても同じくらい大切なもの。そうイーダは語ります。

 脱出しようとするルースたちの背後に番人が忍び寄り、三人は捕らえられてしまいました。なんとか外に出たイーダはルースを逃がしますが、囚人たちが気がかりだったルースは彼らを助けに戻り、協力してイーダとキングのピンチを救いました。

 約束通り人間界に戻れることになりましたが、ルースは魔界に残ってイーダの弟子になると決めました。こうしてルースの魔法修行は始まったのです。

 

  • 主な登場人物 

ルース・ノセダ:ファンタジーをこよなく愛する14歳。明るくて元気でクリエイティブだけど、創造性を発揮しすぎた行動から変わり者扱いされている。

 

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引用元URL https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_173.png

 

イーダ・クロウソーン:自称「ボイリング島でいちばん強力な魔女」。人間界から拾ってきたガラクタを売っている。妖魔のフーティとキングと一緒に街はずれにある「アウルハウス」で暮らしている。

 

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引用元URL

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_180.png

 

 

キング:妖魔。王冠を奪われて今の姿になったらしい。誇り高く振る舞うけど抱きしめたくなるくらいかわいい。

 

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引用元URL

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_291.png

 

 

塔の番人ラース:指名手配されているイーダを執拗に追いかける。変わり者を捕らえては塔の牢屋に投獄している。実はイーダに気がある様子。

 

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引用元URL

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/A_Lying_Witch_and_a_Warden/Gallery?file=The_Owl_House_S01E01_-_A_Lying_Witch_and_a_Warden_317.png

 

  • 感想

 異世界、魔法、バトルとファンタジー作品の定番が盛りだくさんでワクワクが止まりません。世界観も作りこまれていて、キャラクターも主人公のルースを筆頭に個性豊か。一癖二癖あるキャラがどう掘り下げられるか、他にどんな登場人物が出てくるか楽しみです。

 物語はファンタジーの王道を踏襲しながらも、「変わり者だっていいじゃないか」と多様性を肯定し、個性を認め合うテーマはとても現代的。元いた世界で叱られてばかりだったルースが、自分の居場所を見つける姿に癒されました。

 他の作品のパロディや小ネタも随所にちりばめられていて、監督の遊び心が垣間見えました。日本や海外のアニメやゲーム、ファンタジー小説や映画が好きな人は、色々な場面でくすりと笑えることまちがいなし。

 話が進むテンポもいいので、ファンタジーを普段から親しんでる人もそうでない人も、子供も大人も楽しめると思います。

 

  • 用語解説、小ネタ

タイトル

A Lying Witch and a warden(ウソ付き魔女と怒りの番人):C.S.ルイス作 ‘The Lion, the Witch and the Wardrobe ’ 『ナルニア国物語1 ライオンと魔女と洋服だんす』のパロディ。

 

サマーキャンプ

アメリカの夏休みは三か月と長い。その間、子供たちに色々な体験をさせるためにサマーキャンプがあちこちで開かれる。自然との触れ合いを筆頭に、共通するマイノリティのルーツを持つ子や、同じ病気や障がいを持つ子を対象にするなど種類は様々。ルースが行かされることになったのは、型にはまった考え方を教えるためのサマーキャンプ。

 

小ネタ集

ルースが演劇で刺されてソーセージを出すのは『ズートピア』のジュディが幼い頃にやった劇のオマージュ。

 

イーダが商売道具を片付けるシーンにポケモンカビゴンと、監督の前作『グラビティーフォールズ』の主人公ディッパーがかぶっていた帽子が写っている。

 

囚人の一人、タイニーノーズは監督ダナ・テラス氏を戯画化したキャラクター。英語版

で演じているのは監督本人。

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引用元URL

https://theowlhouse.fandom.com/wiki/Tiny_Nose/Gallery?file=S01E01_A_Lying_Witch_and_a_Warden_-_Tiny_Nose_1.png

 

https://www.animationscoop.com/interview-creator-dana-terrace-on-disneys-the-owl-house/

 

 

 

 

海外アニメ・マンガの考察について

こんにちは karatachi-treeです。

「海外マンガ・アニメ 感想・考察ブログ」の初投稿を見に来てくださりありがとうございます。

 小さい頃から海外のアニメやマンガが好きで、大人になった今も普段から見たり読んだりしています。自分が好きな作品の感想や考察を書き、見て読んで面白いと思った作品の情報を発信したいと思いブログを作ることにしました。

 当サイト「海外マンガ・アニメ 感想・考察ブログ」は海外アニメの感想と考察、おすすめの海外マンガやグラフィックノベルの感想といった情報を提供。特に面白いと思った作品をディープに掘り下げていきます。

 海外マンガ・アニメには魅力がたくさんあります。LGBTQや差別、多様性といった現代のテーマを積極的に取り上げ、個性豊かなキャラクターを通じて表現しています。同じ作品に触れる度に新たな発見があり、物語の背景や作者の意図を知る度に理解が深まるのはとても楽しいです。

ブログを書きながら作品への理解を深め、気づいたこと、考えたこと、感じたこと、そして面白かったものをアウトプットする場としてブログを使えたらと思います。